アメたろうの着道楽

アメたろうの着道楽

デニムの色落ちやレザーのエイジング(経年変化)などについて。

イギリス旅行 Part2 ~ノーザンプトン 革靴ファクトリーショップ編~

はじめに ~今回もイギリス旅行です~

今回もイギリス旅行編をお届けします。第2回です。

 

1.イギリス旅行 Part1 ~ロンドン 最高級革靴店編~

2.イギリス旅行 Part2 ~ノーザンプトン 革靴ファクトリーショップ編~

3.イギリス旅行 Part3 ~サヴィルロウ 紳士服編~

4.イギリス旅行 Part4 ~ロンドン 紳士帽とカジュアル服&場所特定に困った聖地巡礼編~

 

↓第1回はこちら

 

さて。革靴もどうせ趣味なら良いものを…ということで、超高級紳士靴。

高くて良いもの、安くてもう~んというもの、国産デニムにもありますよね。

 

2023年7月、当時は1ポンド(£1)=180円と歴史的な円安でしたが、靴工場まで行けば、B級品が安く買えるらしい!ということで、イギリスに行ってきました!

販売価格もできる限りご紹介できればと思っています。

 

靴工場のある街というのは、ノーザンプトンです。

イギリス中央部、ロンドンの北東にあります。

 

ノーザンプトンへの行き方

まず、ロンドンのユーストン駅から鉄道に乗ります。

チケットの買い方は日々変化するため、地球の歩き方を読んでください。

 

券売機はこんな感じ。

入口に改札はなく、係員がチケットのチェックに来ました。

 

チケット。41.70ポンド=7,567円。

復路はオフピークタイムなので、£18.80=3,411円で済みました。

早めに買うとお安く購入できるので、往路は朝早くから事前予約、復路は当日購入でも良いかなと思います。

 

電光掲示板。どの電車に乗るかはGoogleマップで調べましょう。

 

鉄道はこんな感じで、日本の特急列車のような雰囲気です。

 

 

車窓は、緑の畑や黄色の畑。どちらも小麦類でしょうか。

刈り取られて芝だけになっていて、イギリスらしくて良い景色でした。

 

車内に到着駅が掲示されるので、初めて乗る方も安心です。

 

ということで、電車は定刻通りに8:25にNorthampton駅に到着。

ノーザンプトンの革靴ファクトリーショップ

ノーザンプトンには、少なくとも6つの最高級革靴を作るファクトリーショップがあります。

 

・ジョンロブ(John Lobb)

エドワードグリーン(Edward Green)

・チャーチ(Church’s)

クロケット&ジョーンズ(Crockett & Jones)

・トリッカーズ(Tricker’s

・ドクターマーチン(Dr. Martens)

 

そのうち、お目当ての4店舗に行ってきました。

Church's Factory Shop(チャーチ ファクトリーショップ)

まず、駅から一番近いチャーチから。

正面玄関はオフィスになっています。

 

壁に書いてあるとおり、正面を見て左側にファクトリーショップがあります。

 

写真中央のファクトリーショップの入口。

 

昔ながらのレンガ作りの工場ですね。

 

扉が開いていて工場内が少し見えましたが、近代的な工場のような内装でプラスチック製の木型が並んでいたり、吊り込みか何かのトントンと木槌を叩く音がしました。

 

9:00開店です。

 

値段は一足ずつ違う様子でした。

 

フルブローグの靴を3足試着させてもらいました。

どれも割とB級品らしい理由があるものが多かった印象です。

 

 

どれも幅や踵の収まりが一長一短ですが、500ポンドくらいの靴に決めたものの、お会計直前にバートンを発見。

履いてみるとデザイン的にこれ一択だなと思ったが、金額がライニングなしで875ポンドでした。

ライニングありでロンドン市内で買うと940ポンドぐらいとのこと。

 

日本で17.5万円ぐらいで買えるので、関税を考えると全くお得感がなく…たくさん試着させてもらったので申し訳なかったですが、ライニングの有無で長持ち具合も変わってくるだろうし、思い出作りのために無理に買う必要はないなと思って謝りながら撤収しました。

 

Tricker's Factory Shop(トリッカーズ ファクトリーショップ)

トリッカーズは古いレンガ製の長屋みたいな建物に工房がありました。

中は見えないが、ヒップな音楽とトントンと木槌を叩く音がしました。

 

ファクトリーショップは少し離れていて、少し歩きます。

 

今日はお休みのようでしたが、親切にもオフィス側の店舗に通してくれました。

その際に工場内を通って歩かせてくれ、革の匂いや山積みの木型、明るい職人さんたちが!!

見ていてウキウキしました。

 

店内の様子。撮影OKの許可はきちんと頂いています。

特にどこがB級品になっているのか分からないような素晴らしいラインナップでした。

また、ソール違いもリクエストすれば、奥から持ってきてくれます。

 

価格表はこちら!

靴は320ポンド前後と日本の半額ぐらいで売られていて、金額的には非常に魅力的ですが、どうしても靴箱を持てるだけの物理的に買える限界があります。

 

チャーチの方が…グリーンの方が…と煩悩が邪魔をして。ファクトリーショップらしいお得感に溢れた価格だしキープしたい気もしましたが、一番欲しいものじゃないので泣く泣くパスしました。

お店を出たら、ヒップな音楽は明るいディスコに変わっていて、社員さんや職人さんの笑い声もするし、陽気なファクトリーでトリッカーズが大好きになりました。

 

Edward Green Factory Shop(エドワード・グリーン ファクトリーショップ)

次に訪れたのは、トリッカーズから徒歩でエドワード・グリーンへ。

工場の奥にある売り場の写真撮影は禁止です。

 

 

展示されている在庫量は最も豊富で、定番から見たこともないようなモデルの靴がびっしりと並んでいて、靴は全てが約500〜600ポンドと破格。

本命中の本命だったので、少しでも気になった靴は全て足を通しました。

 

そして、購入したのがこちら。

 

イカつ過ぎる・・・。

 

 

ここからは、日記のような買い物ブログにお付き合いいただきます。

 

世界一の靴の街。ここでもう一生分の靴を買ってやろうと目論みました。

まず、スワンネックが特徴の大定番・黒のチェルシーは、絶対に欲しいと思いました。

 

チェルシーはサイズ展開がたくさんあったので、これでサイズ7H-長さ8-ワイズEが一番合うと判断。

チェルシーは同じサイズで二足あり、一足はシュータンの固定縫い忘れで、ジャストフィットサイズで履く時にシュータンが靴下に引き摺られて奥に押し込まれてしまうので、非常に履きにくかったもの。

もう一足の傷もの…といってもまず分からないような程度の方を購入しました。

 

靴箱には、Factory Shopのシールが貼られています。

 

ストレートチップにブローグが入ったバークレーも気になってましたが、在庫なし。

 

次に、フルブローグのものを探してみました。

明るい色や秋っぽい茶色のものを見ていたが、ワイズが合わなくて断念。

グレーのインバーネスがめちゃくちゃ格好良い色で、一目惚れしたので購入。

 

ただ、このE82ラストは、チェルシーのE202ラストより更にワイズが狭いかなりスタイリッシュな型なので、手放すかもしれません…

 

これだけ箱も格好良いです。

 

ジーンズにも合わせやすいドーバーも買うことに。

大変手間がかかっているハンドゾーン=ハンドステッチが入ったモデルは少しお高めの価格設定。

 

色々試し履きをして、結局はこの三着購入。

どれも、表面に擦り傷があるのがファクトリーストアのB品になった理由らしいです。

例えば、ドーヴァーだとこんな感じ。


てっきりステッチに飛びがあったり、ブローグが欠けているんだと思っていたので、これだけでここまで安くなるのには驚きました。

使えばどうせ傷が入ると思うので、自分としては全く問題ないですが、確かに新品で買ったら傷ありだったら交換してもらうでしょうね。

 

ただ、日本で新品を買えば1足25万円するので、こんなに安くなるのは訳が分からないです。

 

包んでくれているうちにバーゲンセールの棚を見つけました。

セールで£250〜£300ともはやスニーカー並の価格、この価格でこんなに足にフィットする革靴は買えません。

派手なものやサイズが合わないものばかりでしたが、一着だけ良いのがあって、勢いで買ってしまいました。

 

安くなっていた理由は、6年前のモデルで型落ちなのでセールになっているとのこと。

つまり、傷ものですらありません。

 

合計で四着。革靴ビギナーにはありがたい限りです。

安いとはいえ、合計1,875.00ポンド=340,222円もしました。

 

工場の様子はあまり見られませんでしたが、検品の様子は見られて、普通に淡々と作業をしていました。

トリッカーズのようなワイワイ系とはちょっと違う雰囲気、優等生のエドワード・グリーンらしい感じがしました。

 

 

…と、これで終わりません。

何とファクトリーショップには、シューツリーが売られていないんです。

 

そのため、ジャーミンストリートのエドワードグリーンでシューツリーを購入しました。

 

シューツリーは、定価105ポンド。

 

4足全部同じシューツリーとのことなので、4つも買わなくていいだろうと思いませんか?

店員さんに聞いてみました。

 

私「履かない時もそれぞれ一足に一つずつのシューツリーがないと駄目なんですか?」

店員さん「Yes」

私「・・・」

 

4足分購入しました、、

シューツリーだけで、合計420ポンド=76,210円。

 

一生に一度の買い物レベルにお高い。というか、靴がもう一足買えるよ、、

 

John Lobb Factory Shop(ジョンロブ ファクトリーショップ)

エドワード・グリーンがタクシーを呼んでくれて、グリーンからジョンロブまで走らせる。

何と贅沢な移動でしょうか。タクシー代は、6.70ポンド=1,216円でした。

 

Googleマップを頼りに行くと倉庫のようなところに到着します。

 

看板にしたがって少し歩くと、こういうファクトリーショップに到着します。

先ほどまでと異なり、厳重な警備体制です。

 

ジョンロブは売り場の写真撮影禁止。

 

ウィリアムは約700ポンドで、紐靴は650ポンドぐらいでした。

展示されている在庫量も少なめで、在庫確認をしてもらいましたが、マイサイズのウィリアム2は在庫なし。

 

ここからバスに乗って駅まで帰るバス代は約2ポンド=336円でした。

 

 

ということで、戦利品を持って、ロンドンに帰りました。

サイズ選び失敗

いかがだったでしょうか。ノーザンプトン編。

 

実は、エドワード・グリーンで致命的なミスを犯しています。

私はワイズEEがジャストだったようで、後に全ての靴が絶妙に小さいという悩みを抱えます。

これ、全部です。

 

そして、日本でEEワイズを取り扱っている店なんてないんですよ、、

あっても定価ではとても買えません。

 

そのため、最近はストレッチャーで一生懸命、革を伸ばしております。

それでも上質な革過ぎてすぐに戻るんですよね。

 

失敗した原因は、時短体による足のむくみや高級靴ならではの革が足に吸い付く(初めて経験しました)ことで、かなりタイトめに感じてしまうという。

E82ラスト

 

最初はこういうもんだと無理をしていたら、しばらく足が痛くて病院に通うことになりました。

締めつけ感が強いのはまだしも、骨が当たっている状態では絶対に無理しちゃ駄目です。

E202ラスト

さいごに

いかがだったでしょうか。ノーザンプトン編。

 

買ったのにサイズが合わないなんて…一生分の靴を買えませんでした。

よい子は絶対にマネしちゃダメだよ!(金銭感覚も狂うしね、、)

 

また靴を買わなきゃ…ということで、リサーチ再開。

そこから、どんどん革靴の魅力にハマってしまいました。

 

ただ、悲しいかな、財力はありません。

イタリア靴は似合わなさそう、フランス靴は高い…などと買わない理由を探しながら調べているうち、「ドイツのハインリッヒ・ディンケラッカーというブランドのフルブローグシューズが、お値段控えめな割にゴツくて格好良い!」と出逢ってしまいました。

今は東欧靴のコスパの良さに惹かれています。

 

ということで、ゴールデンウィークに靴を買いにヨーロッパを再訪することにしました~!!パチパチ~!

というオチでいかがでしょうか。

 

イギリス旅行 Part1 ~ロンドン 最高級革靴店編~

はじめに ~アメカジじゃないの?~

ご無沙汰しています。

 

最近はアメカジより紳士服・紳士靴に夢中になっています。

きっかけは、礼服をセミオーダーで作ったこと。

アメカジにはないジャストフィットにやられてしまいました。

 

また、革靴もどうせ趣味なら良いものを…ということで、超高級紳士靴。

靴の本場は、イギリスとイタリアですが、保守的なイギリス靴に興味を持ちました。

ただ、レザー製品ですし、工芸品のようなものなのでお高いんですよね。

そんな中で、靴工場まで行けば、B級品が安く買えるらしい!ということで、イギリスに行ってきました!

2023年7月、当時は1ポンド(£1)=180円と歴史的な円安でした。今もですが…。

 

 

当時は、ブログにアップすることは考えていませんでした。では、今になってなぜアップロードするのか。

…というのは、今年のゴールデンウィークにヨーロッパ旅行に行ってきます。

東欧も紳士靴のメッカになっていますが、ビスポークばかりなので何せ情報が少ない!

10年前のブログも大変参考になるぐらいのレベルなので、誰かが後進の旅行者に向けた記事を書く必要があるだろう…ということで、僭越ながら私が書こうかなと思っています。

 

そのため、今回は比較的情報の多いイギリスですが、あくまで旅行者向けの記事なので、いつもとは少し毛色を変えて、解説少なめで淡々と写真を載せようと思っていたのですが、意外と大ボリュームになりました。

旅行写真なので手ブレ等もご容赦ください。

あと、写真枚数も多いので、顔も雑に切り抜いています!笑

 

 

全4回でご紹介します。

1.イギリス旅行 Part1 ~ロンドン 最高級革靴店編~

2.イギリス旅行 Part2 ~ノーザンプトン 革靴ファクトリーショップ編~

3.イギリス旅行 Part3 ~サヴィルロウ 紳士服編~

4.イギリス旅行 Part4 ~ロンドン 紳士帽とカジュアル服&場所特定に困った聖地巡礼編~

 

ということで、今回は第一回。

 

 

↓サンフランシスコのリーバイス本社旅行記もあります。

セント・ジェームスズの革靴店

まず、ロンドンの超高級革靴店といえば、St. James's周辺に集まっています。

セント・ジェームスの方が読みやすいじゃん!」と思うのですが、Google Map曰く、ジェームスズだそうです。

ちなみに、世界一の仕立てスーツ屋さん街のサヴィルロウから徒歩圏内。

 

世界一ドレスコードに厳しいThe Ritz London(リッツホテル ロンドン)があるなど、世界を代表する紳士の街です。

ホテル内部の写真は、おまけとしてさいごに掲載します。

John Lobb(ジョンロブ ロンドン)

まず、King of Bispokeことジョンロブ・ロンドンから。

英国どころか、世界最高峰の靴屋さんなので、最初にご紹介します。

こちらは、メインのJermyn St(ジャーミン・ストリート)と交差するSt. James's St(セントジェームスズ・ストリート)という別の通りに面しています。

隣に世界最古の帽子店がありますが、そちらは第3回でたっぷりご紹介します。

 

パリのエルメス傘下のジョンロブと区別するため、便宜的にロンドンと呼んでいます。

パリは既成靴、こちらはビスポークのみの取り扱いです。

 

この日のショーウィンドウは、夏用のパンチ穴がたくさん開いたもの。

デザイン性も抜群で季節感があって素晴らしいですが、穴開きは日本で履いている人は見たことがありません。

 

ギリーシューズとローファー、ケアグッズたち

 

恐る恐る店内にお邪魔しました。

 

奥に映っている方が、気さくに「見てって!」とのこと。

 

店内の戸棚にはサンプルがたくさん並んでいます。

 

ここに展示されている靴を参考にオーダーする人も多いんだとか。

 

形は世界の標準に近い王道の英国紳士靴。

やや攻めたシルエットのものもあります。

 

貴族の乗馬用?のボタン留めブーツ

 

ヒールのついた恐らく女性用のもの

 

歴史的な靴のコーナーもありました。

 

White'sやWescoなどアメカジブーツ以外を知らなかった私には驚きの世界でした。

超絶格好良くて、50万円以上は当たり前と超絶お高い世界です。

サマーセール対象商品があるかなんて聞いちゃ駄目です。世界一を知れて良かった。

 

カタログもいただいてきましたが、よほど古いのか糊が取れていました。

Shoe Makerではなく、Boots Makerなのも、この辺りも歴史的な経緯がありそうな気がます。

 

中も冊子ではなく紙資料がどっさり入っていました。

ファンは欲しいんじゃないでしょうか。

 

John Lobb(ジョンロブ ジャーミンストリート店)

ジョンロブの既成靴販売はこちら。

Jermyn St沿いに面するお店を紹介します。

まず、ややこしいので、ジョンロブから片付けておきます。

 

ジョンロブ・パリの店舗になっている…という認識ですが、あっているのかは不明。

店内の写真がありませんが、確かノーザンプトン製の靴が売っていたはずです。

 

Edward Green(エドワード・グリーン

次に、エドワード・グリーンです。

ジョンロブと人気を二分する名店で、ロンドンの本店にあたるお店です。

 

こちらの銅像も、店に訪れた際に見てほしいです。

そう、紳士服に革命を起こしたダンディの頂点に君臨するボーフランメル。

ボーフランメルの紹介を始めるとそれだけで記事が終わってしまうので割愛します。

 

当然ながら既成靴ですね。

店内にはもう制作されていない形のフルブローグシューズなども展示されていました。

 

この店舗ではシューツリーを購入しましたが、ノーザンプトンで靴も購入したので、詳細は第2回記事に譲ります。

少なくとも靴に関しては、サマーセールは行っていないと思います。

 

Crockett & Jones(クロケット&ジョーンズ)

お値段がぐっと下がってクロケットアンドジョーンズです。

ジャーミンストリート沿いに2店舗もあるようで、こちらは69 Jermyn Street店です。

 

サマーセール中のショーウィンドウをご覧ください。

 

概ね、£400(70,000~80,000円)ぐらいでしょうか。

これなら紳士靴のあまり興味のない人でも何とか手が届きます。

 

ブリグジット以降、免税措置がなくなってしまいましたが、お土産にいかがでしょうか?

 

B級品でもないし、どこのメーカーもデザインやワイズの展開が日本より豊富です。

 

Tricker's(トリッカーズ 本店)

英国王室チャールズ3世御用達を掲げるカントリーシューズの名店です。

ネット情報ですが、こちらが本店になるとのことでした。

 

こちらもサマーセール開催中。

ダブルソールだったり、アメカジとの相性も抜群です。

 

正直、並行輸入品を楽天で買うほうが安かったりします。

当たり前ですが、デザイン展開はこちらに軍配。エアジョーダンみたいな色使いの靴もありました。

 

The Ritz London(リッツホテル ロンドン)

おまけ…ということで、世界一ドレスコードに厳しいThe Ritz Londonです。

左奥の入口でドレスコードのチェックがあります。

 

こちらは大通りに面した通路側

 

エントランスは、豪華だけれどもシックで洗練されています。

 

お客さんも紳士淑女ばかりです。

 

その他エリアの革靴店

George Cleverley(ジョージ・クレバリー

最高級ラインのAnthony Cleverley(アンソニークレバリー)をはじめ、伝統的な英国紳士靴から更に攻めたシルエットの靴を展開するお店。

接客も最高で、高価で買えないが見たくて来たんだと伝えると、非常に喜んでいただけて、ご厚意で試着までさせてくれました。

靴自体も非常に格好良いのですが、英国で買っても30万円ぐらいします。

サマーセールもやっていません。

 

Gaziano Girling(ガジアーノ&ガーリング)

ネットでは、ガジガジとも呼ばれるガジアーノ&ガーリング。

こちらは朝早くに訪れたので、店内に入れず。

 

スーツを仕立てた帰りに立ち寄れる神立地ですね!笑

 

トルソーのスーツも格好良いです。

 

Church's London Regent St.(チャーチ)

トリッカーズと人気を二分するカントリーシューズの名門・チャーチ。

 

ロンドン市内に店舗数も多いですが、こちらは角地に建っている大きな店舗です。

 

シルエットはぽってりしていて最高ですが、名物であるポリッシュドバインダーカーフのエイジングがいまいちなので、アメカジファンとの親和性はいまいちかもしれません。

 

男性向けのショーウィンドウ

 

女性向けのショーウィンドウ

 

まだ開店前で中には入れませんでしたが、男性向け売り場かな。

恐らく、サマーセールはやっていません。

 

女性向けの売り場面積も広いです。

 

さいごに

いかがだったでしょうか。

今回はシューツリー以外購入しませんでしたが、次回、ノーザンプトンで爆買いしますので、乞うご期待ください。

 

ロンドンは、比較的多くの記事が見つかりますが、せっかくなので書いてみました。

参考にされた方は、是非ともコメントいただけると嬉しいです!!

 

また、旅程と営業時間の都合で訪問できなかった店舗も多いですが、全体的に言えるのは、グッドイヤーウェルト製法の靴ばかりだったということ。

ジョンロブでもノルウィージャンはウィーンのMから始まる某工房に依頼していたりしますから、ロンドンという大消費都市だけあって数が売れるので、生産性の高いものが作られているのでしょう。

シューメーカーについては、存続の危機に瀕している所も多いので、とにかくいい靴をたくさん作って、生き残って欲しいものです。

 

クレバリーを筆頭に、接客も超一流のお店が多いので、ぜひロンドンに行かれた際は、足を伸ばしてみてください。

 

 

第2回は、こちら!

【2023年】トイズマッコイ福袋(オーセンティックTEEセット)の中身を公開!

はじめに

メリークリスマス、アメたろうです。

今年もあと僅か。アメカジファンの年末といえば、福袋ですよね。

 

ということで、今日は、トイズマッコイの福袋を紹介します。

トイズマッコイ、ご存知でしょうか。

旧リアルマッコイズを率いた岡本博さんが率いるブランドです。

 

 

去年もクリスマスに福袋の中身を公開しました。

2023年トイズマッコイ福袋(オーセンティックTEEセット)の中身

 今回は、2023年のトイズマッコイ6千円福袋の中身を公開します。

ただし、発売は2022年末です。オフィシャルサイトから購入しました。

「2023 福袋 オーセンティックTEEセット」
6,050円

 

 

ということで、開封しました!

これで6千円はスゴい!!

 

 

同じものの色違いが2枚入っていました。

 

ツートン半袖リンガーTシャツ
ブルー×ブラック(型番不明)
約6,600円(税込)

 

 

 

ツートン半袖リンガーTシャツ
ブラック×イエロー(型番不明)
約6,600円(税込)

 

 

シルエットは同じなので、1枚だけ詳細を。

 

ポケットの縫い付けも丁寧。柔らかい生地。

 

バインダーネック
トイズのリブは、超長持ちします。

 

お馴染みのタグ

おまけ ~2022年新年の原宿・Fake α~

新春には、原宿のFake αに行っていました。

 

 

お目当てはこちらのヴィンテージスカジャン。

 

 

確か200万円ほどでした。

行列の先頭ぐらいの人が買っていましたが、実物は物凄い存在感がありました。

 

 

2022年始の私。

Jacket:Orgueil
Vest:FREEWHEELERS
Shirts:THE REAL McCOY'S
Inner Shirts:JELADO
Pants:Orgueil
Shoes:Danner

さいごに

いかがだったでしょうか。

とても使いやすい素晴らしい内容ですね。

 

今年も追加購入しようかな。

フリーホイーラーズ「ロングショアマン ウォバッシュストライプパンツ Lot.2112001」Part2 〜着用101日目~

はじめに

フリーホイーラーズのパンツが穿き込み100日を超えたのでレビューします。

 

 

こちらの記事の続きになります。

Freewheelers ロングショアマンの経年変化 ~着用201日~

着用101日目ですが、購入時より未洗濯です。

 

 

FREEWHEELERS
UNION SPECIAL OVERALLS “LONGSHOREMAN”
Color.Indigo Wabash Stripe Lot.2112001
税込35,200円

 

 

右半身の詳細写真。

色味が違うのがとても嫌なのですが、iPhoneの設定上どうしようもないようです。

全体写真のほうが実物の色に近いです。

 

黄色っぽい写真ですみません。

 

 

次は、左半身。

 

本当にすみません。

 

 

バックもそれなりに変化しています。

また色味が変わって本当に申し訳ないです。。

 

 

針シンチらしい変化

 

 

フラップのない右ポケットの方がよく使っています。

 

フラップがいい感じにくしゃっとしてる!!

 

 

左裾にピンホールができていますね。

ロールアップして履いています。

さいごに

いかがだったでしょうか。

 

ライトオンスということもあり、色落ちが早いと感じています。

フリホを買うようなお金持ちの人は、たくさん買ってはあまり穿き込まないイメージがあり、そういう人でも本格的な色落ちを楽しめる一本なのでしょう。

 

冬は少し寒い生地ですが、ファーストウォッシュをかけるまでは、フリホのレザージャケットと合わせて穿き込みます!

【ジーンズ生誕150周年】リーバイス「アメリカ建国100周年 ブーツカット&バッドダイデニムパンツ」

はじめに

今日は、ジーンズがこの世に誕生して150周年の記念日です!

501は他の方がたくさん取り上げると思うので、私の持っているリーバイスのなかでも、最もお祝い感のある一本を紹介します。

Levi's ”501 DAY” ~ジーンズの誕生日~

そもそも、なぜ今年が150周年なのか?

こちらについて、簡単に解説します。

 

ジーンズの起源を考えたとき、デニム生地のパンツにリベットを取り付けたことが画期的な発明でした。このジーンズの特許登録日が150年前の今日になる訳です。

リーバイスは、5月20日を”501 DAY”と定めています。

 

ゴールドラッシュに湧く北米の鉱山で働く多くの鉱夫の悩みのひとつは、作業中にズボン(パンツ)がすぐに掏り切れてしまうことだった。1870年、仕立て屋のヤコブ・デービス(英語版)は、既に設立されていたリーバイス社のリーバイ・ストラウスから仕入れたキャンバス生地を用いて銅リベットでポケットの両端を補強した仕事用パンツ(ワークパンツ)を発売し、これが鉱夫らの好評を博した。ジーンズは最初、鉱夫らの作業着であった。
類似品が出回ることを危惧したヤコブは、このリベット補強済みパンツの特許を取得しようとしたが必要な資金が無く、権利を折半するという条件でリーバイ・ストラウス社に特許申請を依頼し、特許申請は1873年5月20日に受理され、この「リベット補強済みパンツ」はリーバイ・ストラウス社製の製品として製造販売された。このパンツがジーンズの原型である。

Wikipedia「ジーンズ」より引用

LEVI'S「建国100周年モデル? ブーツカット バッドダイ デニムパンツ」の詳細について

前置きはこのくらいにして、ご紹介しましょう。

 

まずは、ショップの袋から。

日本を代表するヴィンテージ古着ショップのハンドレッドバイヤースさん!

昔はこんな不織布の袋はなかったです。

 

今回は、最近購入したので値段は伏せようと思います。

名刺と商品タグ

 

 

ということで、今日はこちら!

1970年代製 リーバイス
ブーツカットパンツ

 

派手を通り越して、目がチカチカします。

 

 

フロント部は、ジーンズとちょっと違った面持ち。

コインポケットなし

 

購入後に店主に教えてもらいましたが、バッドダイデニムとのこと。

これだけ履いていても色落ちしてない訳です。

 

スレーキのポケット裏側
製造管理番号らしい番号が刻印されていました。

 

また、こういった派手な柄物は大抵1976年製とのこと。

 

1976年は、アメリカ建国100周年になります。

つまり、愛国心あふれるお祝い柄ですね。

裏から見てもリーバイス

 

こちらは501ではありませんが、ジーンズ100周年に近い50年前のモデル。

"愛リーバイス"なパンツとして、今回はこちらを紹介させていただきました。

リーバイスらしい形のバックポケット

 

謎の刺繍糸

 

 

ディテールについても。

トップボタンは「30」

 

42TALON

 

白タブ BIG E

 

ダメージや汚れ

 

 

最後に、恒例の生地裏表を拡大した写真

文字は織柄として施されています。

おまけ

妻はこんなスウェットを買っていました。

 

大判のプルートは珍しいですよね。

 

躍動感のあるオリジナリティデザインも良い感じ。

 

韓国製のライセンスものは非常に珍しいんだとか。

さいごに

いかがだったでしょうか。

他の方がジーンズはたくさん取り上げると思ったので、敢えて501は外してみました。一応はビッグEですが。。

 

70年代らしい逸品ですよね。お祝いに相応しい1本だと思います。

【根性履き】オルゲイユ「ジーンズ OR-1066」Part3 〜着用約1,800時間で初洗濯!~

はじめに

今回は、オルゲイユのジーンズ「OR-1066」の色落ちレビューです。

今回は見出しや文章の配置を少し変えてみました!

 

こちらの記事の続きになります。

根性履き

着用200日目で洗濯しました。洗濯回数は1回目になります。

 

一日8時間以上は着用していますので、約1,800時間ぐらい穿き込みました。

これぐらい洗わなければ、根性履きと呼んでも差し支えないないでしょう。

着用期間1年4ヶ月

 

 

洗濯前の写真から。洗濯ゼロらしい色落ちです。

 

 

 

 

 

 

 

 

購入時と変わらぬパッチ

 

 

ハングアップ

 

初洗濯

元よりバキバキに育てるつもりはないので、洗濯しました。

 

水が茶色い・・・

オルゲイユ「ジーンズ OR-1066」の経年変化(着用200日目)

ということで、経年変化を見ていきましょう。

 

概ね狙いどおりの色落ち

 

バックも概ね狙い通り

 

 

バキバキとは言い難いが、それなりにしっかり入ってくれたヒゲ。

 

 

少しずつアタリが出てきた前身頃

ボタンが取れそう。。

 

 

左右のポケットは、コインポケットがいい感じに。

 

 

ヒザは、ザラ感のある荒々しい色落ち

裾は変化少なめ

 

 

股から壊れそう

壊れそうな箇所のアップ

 

ヒゲLove

 

 

背面は、ピッチの細かい縫製のため、あまり変化しないかなと思っていましたが…

 

腰回りは、シワが深く刻まれています!シンチバック様様ですね。

 

外してみた

 

バックポケットは、変化少なめで上品な印象

 

お尻です。

 

ハチノスから裾にかけて。

ふくらはぎのフェイドがいい感じ!

 

 

ハチノスLove

 

ヒザ裏表の繋がり部分

 

ここが好きな人と友達になりたい。

 

 

アウトシームは、乾燥機に入れていないのでウネリなし

 

インシームは、ボコボコとしていていい感じに。

 

 

裾には上品なアタリ

 

長かった空環は邪魔だったので早々に切りました。

 

 

革パッチは、カサついたのでオイルを塗り込みました。

 

 

 

生地の拡大

さいごに

いかがだったでしょうか。

サスペンダーは不便なので大変でしたが、アタリの付きにくい縫製や生地使いと格闘してみました。

今季のこのパンツは一区切りにして、春からはフリホを育てます。

フリーホイーラーズ「ロングショアマン ウォバッシュストライプパンツ Lot.2112001」Part1 〜購入レビュー〜

はじめに

ハロにちは、アメたろうです。

今回は、新しくフリーホイーラーズのウォバッシュのパンツを購入したのでレビューします。

 

結論から先に書けば、定番商品を買いました。

学生時代からの憧れの1本でしたので。。

 

改めて紹介するまでもないとは思うものの、本格的な穿き込みブログはあまりないように思いますのでご紹介します。

ウォバッシュについて

デニム・ウォバッシュ・ヒッコリーが色落ちフリーク3大生地だと思っていて。

デニムはともかくウォバッシュとは何ぞや、という点を改めてご説明します。

 

ウォバッシュとは、生地に色を抜いて染める「抜染手法」を用いた手間のかかる作業を経て生まれた、1920年代頃までのワークウェアに用いられた生地です。

 

代表例はインディゴブルーに色が抜けた白いドット柄のストライプですが、インディゴブルーに限らずレッド、ブラックなどもあります。またドット柄に限らず、星柄、ハート柄、犬の足跡、錨柄、花柄などもあるようです。

ただ、抜染は色を抜く手法なのでプリントのように複雑な柄には不向きな手法です。 

J.L. Stifel Co(シュティフィル社)について

ウォバッシュ生地を生産していた最も有名な会社です。

 

1835年に創業者、J.L. Stifel(ヨハン・ルードウィッヒ・シュティフェル)は小さなクリーニングと染物の工場を始めました。更に、彼はヨーロッパで覚えたプリントと染色の技術をいかした商売を始めることを決断し9番通りにも工場をはじめ、社名をJ.L. Stifel Coとしました。

1903年にトレードマークのブーツが生地の裏面にプリントされ登場しました。これは創業者のJ.L. Stifelの名前からとった「J.L. Stifel Co(シュティフィル社)」のStifelという言葉がドイツ語でブーツという意味になる為ワークウェアブランドのアイコンとして用いられていました。

 

こちらの商標権をフリーホイーラーズを買い取ったのか、フリホの看板商品となっています。

本家の生地を楽しめるのはフリホだけ!

ロングショアマン ウォバッシュストライプパンツについて

ということで、私が手に入れたものを紹介します!

FREEWHEELERS
UNION SPECIAL OVERALLS “LONGSHOREMAN”
Color.Indigo Wabash Stripe Lot.2112001
税込35,200円

若干テーパードしたシルエット
フリホらしいクラシカルな上品さ

 

港で働く労働者をイメージして作られているとのこと

古いデザインと赤い閂留めが特徴的
1900-20sのオーバーオールが元ネタらしいです。

コインポケット内側は耳付き

 

フリホのパンツといえば「ワンピースフライ」
股部分の縫製が1枚となっています。

ONE PIECE FLY”のタグ

真ん中一箇所で留められています。

 

指が二本位入るサイドポケット
ハンマーなど工具を入れる用ですね。
広めの裾幅

ロールアップして履きたいですね

 

後ろポケット

 

シンチバック

ギュッと一指し!
針付きなので緊張します。

とても美しいです…
シンチバック裏はシャンブレー生地

 

裏側

こっちが表面でも良いぐらい美しい

 

裏側も見どころが多い

シンチバック裏
赤い閂留めがインディゴに映えます。
右ポケットの内側はユニオンチケット
とにかく丁寧な縫い付けです。
2色使いのチェーンステッチ

 

フロントボタンは鉄製ネオバボタン

フロントボタン裏はヒッコリー生地
メーカーのワンウォッシュ済ですが雰囲気抜群!

 

ベルトループ
縫製の美しさが際立ちます。

履き込むと壊れそうな気がする股

 

オリジナルタグとユニオンチケット

 

生地の表裏
左綾のライトオンス!

生地裏の“STIFEL”プリントスタンプ
憧れのオリジナル生地です。

 

ブランドネームタグ

どれも作品級に作り込まれています。
これは捨てられない!
恐らく、2021年か22年の春夏モデルです。
「創業75年」と書かれていますね。
洗濯タグ

商品タグ

ショップタグ

さいごに

いかがだったでしょうか。

他人と被ってでも欲しかった、学生の頃からの憧れの一本。

学生の頃から比べるとサスペンダーボタンが省略されたのに値上げされたりと思うことはありますが、定番商品には定番になる良さがあるものです。

 

実は、リーバイスの聖地・サンフランシスコに行ったときに一度だけ履きました。

本格的な穿き込みはこの春からになりますが、どのような育ち具合になるかは…乞うご期待ください!

 

サンフランシスコについて、詳しくはこちら

フリーホイーラーズ レザージャケット 「ボディ 2020年モデル」Part1 ~購入レビュー~

はじめに

「どうせ買うなら、最高のレザージャケットが欲しい!」

ということで、フリーホイーラーズでレザージャケットを買いました。

珍しいモデルだと思いますので、写真たっぷりでご紹介いたします。

フリーホイーラーズとは

フリーホイーラーズは、旧リアルマッコイズを源流に持つアメカジブランドです。

旧マッコイ創立メンバーの一人・安井さんが立ち上げたブートレガーズ、ブートレガーズ・リユニオンという流れを組んでいます。

 

はじめにアメリカの服があった。ワークウェア、アウトドアウェア、ミリタリーウェア、モーターサイクルウェア、アスレティックウェア…。機能本意でとことんタフなアメリカの服。それはつまり広大な未開の大地にアメリカという国を創った服だ。そして、そんなアメリカの服にはアメリカを創った男たちの名もなき人生が刻まれている。

フリーホイーラーズは自分たちが愛してやまない”アメリカを創った服”を蘇らせるべく結成されたクロージング・カンパニーである。しかし、その実体は単に歴史的なアメリカの服をそっくりそのまま再現する復刻者ではない。我々が再現したいのはアメリカがアメリカになる過程で育んできたモノ作りの精神や、その服が活躍したシーンの空気感。

フリーホイーラーズにとってヴィンテージ・ウェアはモノ作りにおける貴重なインスピレーションの源だが、目的はその表層を忠実にトレースすることにはない。例えば我々が、いまや再現の困難な素材や仕様を駆使するのもそれは一枚の記録写真や映像の断片から否応なく滲み出る、ある日のどこかのアメリカの空気を表現するための手段なのだ。

フリーホイーラーズはまた、特定の時代や場所やカルチャーのみにモチーフを見出し、その服飾様式を踏襲するファッション・ブランドでもない。例えば我々が、漂泊の文学集団「ビート」に強く惹かれるのもそれは彼らの発する赤裸々な言葉から否応なく滲み出るある日のどこかの漂泊の記憶への共鳴なのだ。

1940年代後半、ビートはニューヨークの喧噪から路上へと旅立った。彼らは自由を求め彷徨う道すがら、日常に埋もれた真実の欠片を無秩序に拾い上げ、そして謳い上げた。我々もまた、あたかもタイムマシーンを操るが如く大胆かつ自在に時空を彷徨いながら、歴史の地層に埋もれた名もなきアメリカの輝きをランダムに掘り起こし、服というファクターを通して謳い上げる。

フリーホイーラーズが追い求めるのは、現代のどんな服にも、さらにはどんなヴィンテージ・ウェアにもない新たな価値。言うなればそれは、元来ある目的のために作られた服が最もまばゆく発光する場面に置かれた時と同じ輝きを、今、日常の中で解き放つための服作り。それゆえに我々は、”アメリカを創った服”の物語を旅するのだ。

引用:公式WebSite About

…と、公式ホームページに書かれています。

 

安井さんが当初立ち上げたブランドは、ブートレガーズ。

ブートレガーズ・リユニオンを経て、今のフリーホイーラーズに至ります。

 

ヤフオクなどでブートレガーズの製品を見ていると、70年代のヒッピー系ファッション製品を多く排出していたようですね。

それも攻めたデザインが多く、特にTシャツは著作権OUTなんじゃねーの?というレベルまで踏み込んだ作品もありました。

これらには溶けるタグというものが付いており、洗濯を繰り返すとブランド名が判らなくなる凝った仕様になっているようです。

定価も(今と違って)そこまで高くないため、ファンが多かったのも頷けます。

 

 

フリーホイーラーズ時代の作品の特徴にも触れておきます。

ブートレガーズ時代の70年代系統のもの、他のブランドがあまり作らない1930年代以前のものを多く輩出しているように思います。

特にワークスタイルを着こなすには、30年代以前の製品が黄金期なのに、他のブランドがあまり発売していないので、お世話になる方は多いのではないでしょうか。

近年は実名復刻に力を入れているほか、50年代前後のレザーやジーンズなどの大人気商品も多く取り揃えています。

 

冒頭のオフィシャルサイトに記載がある通り、いずれもヴィンテージマテリアルを正確に復刻するのではなく、インスパイアを受けたオリジナル作品ばかりです。

「Great Lakes Gmt. Mfg. Co.」「The Union Special Overalls」「Neal Cassady Railroad」「The Vanishing West」「Power Wear」「Hipsters Reunion」「Hobo and The Trucking Co.」「Hall of Fame」とそれぞれにテーマが設けられており、異なる世界観となっているのも特徴でしょう。

 

独創的な雰囲気や非常に緻密で手間の掛かるプロダクツ群は、(高級感というか)存在感があり、値引きセールを行わない姿勢などからも、特に熱狂的なファンが多いブランドだと感じています。

 

ただ、オリジナル生地が多かったりする都合上か1点辺りの生産数が少ないこと、毎年のように値上げを行っているため、庶民には手の届かないお値段になりつつある印象です。安いレプカジブランドだと2着…モノによってはヴィンテージで買えますから。

 

もっと言えば、大胆で独創的な意匠が多いブランドでしたが、近年はパターンや生地でマイナーチェンジを繰り返している点も、嬉しくもあり寂しくもあります。

(後追い世代でも公式販売店で買うチャンスがある一方で、もっとドンドン完全新作を出して欲しいです。)

 

あと、取扱店が極端に少ないです。

都内では、直営店を含めて3店舗でしか取り扱っていないと思います。

 

 

今までに紹介したブランドの中では、30年代以前の製品を完全復刻でないオリジナリティあふれる形で創り出しているという点ではオルゲイユが近いと思います。

The Vanishing West "BODIE (Vintage Black)" -Lot.2031009-について

まずは、販売サイトの解説からの引用になりますが、ご容赦ください。

こういうものも販売期間が終了するとネットから消えてしまいますので、備忘録として引用させて頂きました。

 

1930年代スタイルのワーク系スポーツジャケットをベースにした、着丈が少しだけショートですっきりとしたミドル丈のレザージャケットが限定リリース。

フリーホイーラーズのデニムシリーズと同じ「THE VANISHING WEST」レーベルで、1800年代後半のゴールドラッシュでたくさんの人々がカリフォルニアへ押しかけた旧き良きアメリカ大陸の西部開拓時、東部に位置する町の名前から「BODIE ボディ」と付けられた逸品です。

シンプルなデザインで、小さめのイタリアンカラーに、少しラウンドした腰ポケット、バックスタイルはヨークが付きダーツ入りで両サイドのDカンでウエストを絞れる仕様になります。

フリーホイーラーズの作り出すレザージャケットは、ヴィンテージ・レザーアイテムの中でも非常に珍しく、価値の高いモデルをモチーフとしているということは間違いない事実であるが、彼らの真髄は常にそれをそっくり其のままトレースするということではなく、長き年月を重ねながらも奇跡的に現存する「ヴィンテージ・サバイバー」はどれも必ず、得もいわれぬ趣や輝きを放っている。

その空気感や時代感の再現と、現代の着用に合わせることとの両立であると思います。

それはいくら上面だけを模したところで不可能な表現です。

それはレザージャケットに対する多大な知識と情熱が実体性を持って現れた姿であって、各モデルに於いて機能性や必然性を持って生まれ、往時の文化や背景を色濃く反映した究極の姿ゆえに、袖を通したもののみが味わえるリアリティを備えています。

至極のレザーを身に纏い、共に年を重ね朽ちて尚、一層の美しさを増していくその様を堪能してください。

引用:Speedwayより

 

自由に牧畜や農業がおこなえ、人知れず黄金が眠る、手つかずの広大な大地。アメリカの人々にとって西部開拓とは、すなわち自由と希望の象徴に他ならない。有象無象がそれぞれの希望を胸に集まったオールドウエストへのオマージュ、それが「バニシングウエスト」である。 

一攫千金を夢見た西部の男たちが身に纏い、生涯の相棒として共に長い年を重ねたレザーウェアには消失したフロンティアへの憧憬が宿る。 

1930年代は、レザージャケットやライダースジャケットなどが様々なブランドから生み出され、オーダーメイドの手の込んだ作りの時代でもありました。そんな時代のアイテムには名品と言われる数々のモノがありました。もちろんヴィンテージなどでは、お目にかかる事のできないレアアイテムで現在でも高額な取引きがされております。 

そんな1930年代のディテールを再現した、シングルタイプのレザージャケット “ボディ” になります。

オープンカラーの衿形状やショート丈、フロントポケットの形状、ステッチなど、その当時のディテールを再現したシンプルなレザージャケットです。 なんと言っても、フリーホイーラーズオリジナルの上質なホースハイド生地を使用し製作されておりますので、高級感漂う雰囲気の作りになっております。また、パーツや素材、デザイン、全てにおいてフリーホイーラーズの凝りに凝った作りになっております。

このジャケットは西部開拓時代に労働者が毎日毎日、袖を通す丈夫なレザーワークジャケットとして愛用していたイメージで作られており、30年代らしくシンプルなデザインに仕上がっております。 

ネーミングの “ボディ” とは、ゴールドラッシュ後に人々が離れ衰退していった町の地名になります。

引用:Avenueより

「ボディ 2020年モデル」の購入レビュー

では、随分と勿体ぶりましたが、レザージャケットを見ていきましょう!

FREEWHEELERS
The Vanishing West "BODIE"
Color.Vintage Black Lot.2031009
税込264,000円

背中も見どころ満載

シルエットは、身幅、肩幅は、少しフィットした作り
袖部分やアールホールなども少し動きやすい作りに。

1.2mm~1.3mmの肉厚ホースハイド
茶芯で染められた上からブラックフィニッシュが施されています。
ベジタブルタンニンなめし、顔料仕上げでしょう。

顔料仕上げ&ハリがある革はリアルマッコイズに近い感じ。
見た目のツヤ感や触り心地も柔らかく高級感が窺えます。

革取りはスムース中心で綺麗の一言。
お手本のような美しいホースレザーですね。

30年代らしい小さめなオープンカラーの衿

ジッパーを上まで閉めるとワイドスプレッド形状に…まだ硬くて閉まりません。

この衿に惚れて買ったようなものです。
色は、右衿の方が実物に近い。

衿の裏側にも妥協なし

背側の裏
2枚を真ん中で縫い合わせています。

広げるとこんな感じ
立体的に縫製されています。

前身頃のシボに見える所も販売店のハンガー皺

シボ革は衿とカフスぐらい
フリホのプライドや妥協のなさを感じます。

斜めに付いた左胸のジッパーポケット
両サイドには30年代特有の三角ステッチ補強あり

 “WHIZZER” の刻印入りボールチェーン

裾ポケットはスラッシュポケット
浅めでハンドウォーマー用です。

入り口の両端には三角ステッチの補強付き
片玉縁仕様なのもGood!

実名復刻”WHIZZER”
ハトメ仕様ピンロック式
TALONだった場合は扇形で30年代後期モデルです。

30年代のハトメ+40年代のデコタロン
1937年~40年代初期モデルなのが判りますね。

前に傾斜したシルエット

後身頃より前身頃の方が約1.5cm〜3cm長い着丈

バックヨークは絶妙に緩いV字
革取りはあくまでピカピカの銀面推し!

アクションプリーツ

パカッと
中はシボの多めの革です。

鏃をイメージした三角形のダーツ
ダーツ押さえのトップの三角ステッチに品を感じます。
ピンチバックも30年代らしい!
スーツやスポジャケ向けのドイツ背広ですね。

エスト部分は身幅より約5〜7cm絞っています。
更に脇のサイドベルトで緩めることも可能。

両サイドのウエストベルト

絞り調節が可能なD菅付きのアジャスターベルト

両袖
左腕
右腕
左カフス
30年代ならではの長めの先が尖ったデザイン
ここは左右ともシボ多めになっています。
右カフス
竹柄に近いネイティヴ柄のナットボタン
向きはランダムに付けられています。
両腕の裏側

細かいピッチの縫製です。

両脇下
通気性を考慮したベンチレーション

裾側はこんな感じ

ちら見せの美学
裏地とのコントラストが美しい。

裏地のライニング
柄合わせしていないようで…絶妙にしてあります。

起毛無しコットンフランネル
チェック柄で色も格好良い。
袖裏にも凝っていて…
同じ柄の起毛有りコットンフランネル
見頃とブロックチェック
拡大
縫製がとても綺麗です。

脇の裏側

内ポケット
クレカが横向きでギリギリ入る程度の浅さ

タグ
最高過ぎて涙が出ます。

この価格になるとタグもたくさん!笑

裏返すとこんな感じ

タグ①表面
Freewheelers and Company

タグ①裏面
製品情報
タグ②
洗濯タグ

タグ③
The Vanishing West

タグ④
ショップのプライスタグ
表地と裏地の拡大
異素材なので当然こんな感じに。

さいごに

いかがだったでしょうか。

実は、フリホのレザージャケットはレインボーカントリーが作っているという噂です。

ただ、両ブランドの実物を見比べるとと異なる点が多いのも事実。

コスパは間違いなくレインボーに軍配が上がりますが、デザイン性の高さはレインボーのみならず、国産レザージャケット界隈では最高峰ではないでしょうか。

 

ちなみに、ブートレガーズ時代の「BUENA VISTA ブエナビエスタ」というモデルの焼き直しになります。

ブエナビスタ」は茶芯のブラックとACID YELLOWというタンカラーのゴートスキンのラインナップだった様子。

 

「ボディ」は2021年モデルで、茶色のディアスキンと二色展開。

お値段も+10万円ぐらいになって帰ってきました。

 

「ボディ」は製造数が少なかったのか、人気がなかったのか、ネットで見ることも少ないため、原宿のデゾではワンサイズのみのストックで、ネットで探してもディアスキンは完売。

ブラックのみ何とかネットで見つけて購入できた次第です。

 

スポーツジャケットを持っている人からすれば決め手に欠ける中途半端なデザイン、アクションプリーツがウケないのかなぁ、、

私は、ピンチバックとダーツによるフィット感、アクションプリーツの動きやすさに惚れました。小ぶりな衿も素晴らしい。

また、ライダースとスポーツジャケットの中間のような独特なデザインもフリホらしい。袖がジッパーだったら買わなかったと思います。

 

良いジャケットだと思うので、大事に着ていこうと思います。

おまけ ~シワ入れの儀式~

これを・・・こうじゃ!

最後までお読みいただきありがとうございました!